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多くの議員や党員が現場やインターネット中継で見ている中、最高幹部がパワーハラスメント――。日本共産党は14日の常任幹部会で、小池晃書記局長に対し、田村智子政策委員長へのパワハラがあったと認定し、党規約に基づく「警告処分」を下した。
事の発端は、5日に同党本部で行われた会合で、小池氏が地方議員の名前を間違えて発言したこと。司会の田村氏が間違いを訂正すると、小池氏は「訂正する必要はない。ちゃんと読んでいる!」などと田村氏に詰め寄って叱責し、威圧的な言動を行った。
同党では、この処分は「規約とその精神に反し、党と国民の利益をいちじるしくそこなうとき」(党規約)に下されるそうだが、閣僚らの不祥事が起きると「辞任は当然だ!」などと息巻く小池氏、自身は辞任しないらしい。
興味深いのは、加害者の小池氏も、被害者の田村氏も、当初はパワハラとの認識を持っておらず、党内でも問題にならなかったことだ。しかし、会合の模様が同党内で視聴されており、SNS(交流サイト)上で、傍若無人な小池氏の言動が動画で拡散され、党内外から「パワハラではないか」との批判が殺到。これによって、当日から実に9日もたってようやくパワハラと認めて小池氏を処分した。
志位和夫委員長もネット中継で会合を視聴しており、「まずい発言ではないか」との認識を持っていたというが、7日の常任幹部会で何ら問題提起しなかった。こうした経緯を見ると、共産党は「ハラスメント根絶を大方針にしている」(志位委員長)と口では言うものの、党幹部のハラスメント意識は実に低い。
14日の処分発表会見で、記者から「共産党の体質だという指摘もあるが」との質問が出た。同党には「民主集中制」という組織原則、つまり徹底した軍隊的な“上意下達”の制度が貫かれていることを考えれば、党の体質に疑念を持つのも当然だろう。
今回、パワハラの現場は来年の統一地方選勝利に向けて出発する会合だったらしい。指揮を執る書記局長の失態で出ばなをくじかれる格好になってしまった。(斤)