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Editor's Note

2023年2月8日付

共産が「党員除名」。露呈した異質さ

 日本共産党は6日、元安保外交部長の松竹伸幸氏を党員から除名した。同氏は、先月出版した著書や記者会見で党の閉鎖性を指摘し、党首公選などを訴えている。除名は党規約の最も重い処分で、「党内に派閥・分派はつくらない」「党の決定に反する意見を、勝手に発表することはしない」といった「規定を踏みにじる重大な規律違反」(7日付「赤旗」)が理由のようだ。

 この処分に松竹氏は「出版が処分されるなら、憲法の言論、表現の自由は死ぬ。そんなことを進める共産党だって滅びかねない」と猛反発。識者も疑問の声を上げ、「赤旗」にも登場する思想家の内田樹氏は自身のツイッターで「組織改革を提言したら、いきなり『除名』処分というのは共産党への評価を傷つけることになる」と指摘。

 他党からも批判の声が上がっている。自民党の茂木敏充幹事長は「我が党ではいきなり除名処分ということはあまりない」と述べ、日本維新の会の馬場伸幸代表は「民主的選考をやるべきだという意見を排除することは、共産が国会で言っている姿勢と正反対だ」と指摘。国民民主党の玉木雄一郎代表は「民主主義の政党ではなく全体主義の政党と思われても致し方ない」とバッサリ。

 共産党は、松竹氏が日米安全保障条約堅持と自衛隊合憲を党の基本政策にするよう迫ったことも問題視し、「綱領からの逸脱は明らか」(5日付「赤旗」)として処分の理由に挙げている。

 共産党の対応を見ていると、同党の組織原則である「民主集中制」による徹底した軍隊的な“上意下達”の制度や、米国を敵視する非現実的な基本政策にしがみつく共産党の異質ぶりが改めて浮き彫りになる。

 近年、「野党共闘」へソフト路線を躍起になってアピールしてきた同党だが、独裁志向の革命政党としての本質は何ら変わっていないようだ。(丈)

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