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5月16日、公明党の会合に出席した菅義偉前首相のあいさつ要旨を紹介する。
【新型コロナ対策】今年の大型連休は、3年ぶりに制約がない状態で迎え、非常に感慨深かった。昨年はデルタ株が猛威を振るい、極めて厳しい状況だった。先行する海外の対策を見ながら「ワクチン接種こそがコロナ対策の切り札だ」と見定め、ここに全力を集中していく決断をした。一日も早く、一人でも多くの方に接種することで国民の命と暮らしを守る。そうした思いだった。
「1日100万回接種」は高い目標だったが、予定よりはるかに早いスピードで接種が進んだ。(2021年7~8月で)65歳以上の高齢者10万人以上の感染を防ぎ、8000人以上の命を救うことができた。
感染拡大で日本経済が大きな影響を受けたことは事実だが、大胆な対策を講じた結果、失業率は3%を切り、昨年度の倒産件数も五十数年ぶりの低水準に抑えられた。
【経済対策】ロシアがウクライナを侵攻し、原油価格や物価が高騰している。こうした時に、国が補正予算をできるだけ早く成立させることは当然だ。同時に、円安のメリットを生かし、昨年初めて1兆円を超えた農林水産品の輸出を促進すべきだ。中堅・中小企業のものづくりを海外に輸出する体制づくりも政治の役割だ。
【携帯料金引き下げ、不妊治療支援】携帯電話料金は法律で競争環境を整備した結果、昨年5月に1570万件が割安プランに変わり、国民負担が年4300億円軽減した。
今年3月には、格安プランの契約件数が3710万件になり、国民負担の軽減に拍車が掛かった。少子化対策は待ったなしだが、子どもを産み育てたくても、不妊治療の費用が高く、十分に治療を受けられない。そうした中、保険適用を行い、誰もが治療を受けられる体制を築いた。
携帯電話料金の引き下げや、不妊治療の保険適用に向けては、公明党が多くの署名を集め、政府に届けてくれた。それに応えたいと思い、私も実現に力を尽くした。
日米同盟、自公政権が再構築
【安全保障政策】ロシアによるウクライナ侵攻は、国際法違反であり、絶対に許すわけにはいかない。ウクライナがNATO(北大西洋条約機構)に加盟していれば、こうしたことは起きなかったと思う。日本にとって、ロシアは近接する国だ。加えて、北朝鮮や台湾海峡の問題を考えた時に、日米同盟を信頼感のある同盟にしなければならない。
民主党政権では、当時の首相の発言によって日米同盟が機能不全に陥り、その間、ロシア大統領が北方領土に初めて足を踏み入れた。日米関係が厳しい状況にあると、こうした事態が次から次へと起きてくる。
そこで、続く安倍政権では、日米同盟の再構築に最優先に取り組み、(安全保障上、重要な情報を「特定秘密」に指定して政府が保護する)特定秘密保護法と、国家安全保障会議設置法、そして平和安全法制を作った。
当時も北朝鮮からミサイルが何発も発射されていた。これまで北朝鮮のミサイルから日本を守る米国の艦船が攻撃されても、自衛隊が守ることはできなかったが、平和安全法制の制定で可能になった。この三つの法整備によって日米同盟が機能できる体制になった。
参院選では、平和安全法制に対し「戦争法案」などと反対した政党などの候補者と戦うことになる。国民の安全・安心を守るために、自民党は公明党と協力している。参院選では、何としても公明党に勝ってもらいたい。