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公明ニュース

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インバウンド誘客で地方に活力!

観光資源の魅力、世界へ発信

2024年4月14日付

 インバウンド(訪日外国人客)数がコロナ禍による落ち込みから順調に回復しています。観光庁のモデル事業となっている地方誘客の事例を紹介するとともに、跡見学園女子大学の篠原靖准教授に地方誘客の意義や展望を語ってもらいました。

■現状と課題

 昨年の訪日外国人客数はコロナ禍前の2019年の8割程度までに回復。消費額は円安効果もあって過去最高を記録しました。今年は一層の拡大が見込まれます。ただ、訪日外国人客の7割は東京・大阪・名古屋の3大都市圏に集中。オーバーツーリズム(観光公害)も顕在化しています。こうした中、政府は訪日外国人客の旅先を分散化させ、地方に誘客し地域経済の活性化につなげようとしています。

■(松本・高山エリア)歴史と山岳地帯が融合

 観光庁の「インバウンド観光地づくり事業」のモデル地域に選ばれている長野県松本市と岐阜県高山市の「松本・高山エリア」。城下町や古い町並みが残り、上高地など北アルプスの雄大な自然を楽しめる中部山岳国立公園もあります。

 両市は協力して観光資源を発掘、周遊性を高め、観光地としての魅力を世界に発信しています。

 今月11日、松本市内の松本城は桜が咲き誇る中、米国やオランダ、台湾など世界各地からの観光客でにぎわっていました。オーストラリア人の親子は高山市内を見て回った後、松本城を訪れ、「日本の文化と自然を一気に楽しんでいる」と語っていました。

桜が満開に咲く中、訪日外国人客でにぎわう松本城=11日 長野・松本市
桜が満開に咲く中、訪日外国人客でにぎわう松本城=11日 長野・松本市

 松本城は複数の外国語に対応した無料のガイドツアーなどが整っており、23年度は過去最高の訪日外国人客を迎え入れています。

■(みちのく潮風トレイル)全長1000キロの自然歩道

 東日本大震災からの復興が進む東北地方には、世界が注目する自然歩道があります。太平洋沿岸を縦断する全長約1000キロの「みちのく潮風トレイル」です。

みちのく潮風トレイルを楽しむ人=青森・八戸市 ©Koji Iwama
みちのく潮風トレイルを楽しむ人=青森・八戸市 ©Koji Iwama

 迫力の断崖絶壁に優美なリアス海岸――。青森県八戸市から福島県相馬市を結ぶ自然歩道は、日本ならではの多彩な地形が楽しめるとあって海外から多くのハイカーが訪れています。

 津波で被災した景勝地を“復興の道”としてつなごうと官民一体で整備された同トレイル。6月に全線開通から5周年を迎えます。

 今年2月には英国タイムズ紙の「日本の訪れるべき14の場所」に選ばれました。被災地の復興や震災の教訓を伝える場所として米国の有力紙も取り上げるなど、訪日外国人客の増加に期待が高まっています。

   ◇

 地方では訪日外国人客を受け入れる環境整備が喫緊の課題です。政府は、熊本空港をはじめ地方空港で業務に携わる人材の確保を支援しているほか、広島港などでクルーズ船の地方寄港を促す施策を進めています。

■公明、観光立国の実現を強力に推進

 公明党は経済成長や地方創生に向けた「観光立国」の実現を強力に推進。

 地方への誘客促進に向けては、観光地の魅力向上や受け入れ環境の整備などを進めるとともに、外国人富裕層の地方への誘客を促す「インバウンド観光地づくり事業」を後押し。モデル地域には松本・高山エリアなど11地域が選定されました。

■経済活性化、雇用創出に貢献/跡見学園女子大学 篠原靖准教授

 官民が力を合わせ、各地に埋もれていた観光資源を磨き上げ、日本の自然や文化、歴史などの魅力を世界に発信した結果、訪日外国人客の地方誘客が着実に増加しています。

 各地では、東京や大阪などを巡るゴールデンルートに負けない個性豊かな観光スポットや周遊ルートが誕生し、地域経済の活性化や雇用の創出にも貢献しています。

 今後は、地方が連携して広域的な観光圏をつくることや、特産品をベースにした「食」の提供、体験型観光の拡充も求められます。そうした中、政府が「観光立国推進基本計画」に基づき、23年度補正予算や24年度予算で支援策を強化したことは評価できます。

 訪日外国人客と地域で暮らす人たちとの交流が深まり、観光産業が盛り上がることを期待しています。

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