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公明的ライフハック

SNS時代の情報の荒波を乗り越える

SNS時代の情報の荒波を乗り越える 国重徹衆院議員 流

 誰でも、いつでも、どこでも、情報を発信し、つながることができるSNS。ビジネスから趣味に至るまで多種多様なシーンで手軽に情報を得られる一方、誤った情報や悪質な嫌がらせも存在します。あふれかえる情報の中から正しい情報を見極め、活用するにはどうすればいいのか。そのヒントを、公明党インターネット上の誹謗中傷・人権侵害等の対策検討PT座長を務める国重徹衆院議員に聞きました。

「共感」が生むSNSの罠に注意

国重徹衆院議員
国重徹衆院議員

——毎日の生活でSNSが欠かせません。情報収集をメインに利用していますが、情報量が多くて振り回されている感覚もあります。

 SNSはとても便利ですが、その特性を知った上で上手に活用していかないと、うっかり罠にはまってしまいます。SNSで陥りやすい罠と、その対策をお伝えしますので、参考にしてくださいね。

——見ず知らずの人と共通の話題でつながれるのもSNSの魅力の一つですが、気を付けるべきポイントはありますか?

 まずは「エコーチェンバー現象」に注意が必要です。これは、自分と似た思考や意見のユーザーをフォローした結果、自分が意見を発信した時に同じような意見ばかりが返ってくる現象です。

エコーチェンバー現象
エコーチェンバー現象

 多くの方はSNSを利用する際、自分の嗜好に合ったユーザーをフォローして、情報を自分好みにカスタマイズしていると思います。でも自分と似た意見の人ばかりが集まると、得られる情報や思考に偏りが生じます。自分と違う意見は見えにくくなって、自分と似た意見が大多数であると感じるようになってしまうんです。さらには、反対意見やその根拠となるデータを考えもせず排除するようになり、意見やものの見方がどんどん過激で狂信的になる危険性もあるんです。

多様性を確保しフィルターバブルから脱出

国重徹衆院議員
国重徹衆院議員

——誰にでも起きそうな現象ですね。意識的に色んな意見に触れて、それを受け入れていくことが大切だと感じます。

 そうですね。その上で、皆さんに注意してもらいたいのは、皆さんが目にしている情報は、AI(人工知能)やアルゴリズムによって、すでにフィルタリングされ意図的にコントロールされたものだということです。

 例えば、「動画を見ると似たような動画ばかり出てくるようになる」「キーワードを検索すると関連した広告ばかり表示される」などの経験はないですか? これは履歴などのデータをベースとしたアルゴリズムによるものなんです。

 自分の興味や価値観に合った情報を簡単に得られるというのは、便利で楽です。でも、自分が知らないうちに届けられる情報が選別されていて、しかもどういうフィルターがかかっているのか、目にしている情報がどれだけ偏っているのかも分からないというのは、怖いことですよね。このような、自分が見たいであろう情報しか見えなくなる現象を「フィルターバブル」といいます。

フィルターバブル現象
フィルターバブル現象

——便利さの裏にそんな弊害があったとは……。こうした弊害から脱出するにはどうすればいいですか?

 まず、いろんな情報を確保できる環境を整えましょう。「ブラウザやアプリのキャッシュ(履歴)を削除する」「ブラウザの広告のカスタマイズをオフにする」などにより、フィルターバブルが生じにくくなります。

 その上で、日頃から自身の情報リテラシー、メディアリテラシーを高めることが何より大切です。私の考えるポイントは主に3つです。

①自分と違う様々な意見があることを認識する

 自分の意見が肯定されることは心地良いもので、それ自体悪いことではありません。危険なのは、異なる意見イコール間違いだと決めつけて、排除することです。

②情報の真偽を確かめる癖をつける

 「信頼できる発信者なのか」「いつ発信されたものか」を確認することが大切です。またSNSでは情報や視点が不足している場合もあるので、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどの「複数の一次情報を確認する」こともポイントです。

③不確かな情報を拡散しない

 情報を拡散する前に、一度立ち止まって、落ち着いて考えることも大切です。これは、ネット上の誹謗中傷に加担しないためにも大事なことです。

 その上で、ネットであれ既存メディアであれ、情報には発信者の意図や戦略に加え、無意識のイデオロギーや価値観というフィルターがかかっています。このことも十分理解したうえで、情報を受け取ることが重要です。

多角的な視点が問題解決の糸口

国重徹衆院議員
国重徹衆院議員

——物事を多角的に見ることが大切だということですね。

 その通りです。物事を一方向からしか見ないと、判断を過つことがあります。相手の立場に立つことで、これまで見えていなかったものが見えたり分ったりしますし、短期的な視点だけではなく中長期的な視点も持つことで、より適切な選択ができたりします。これはビジネスでも大事なことですよね。

 政治の分野で言えば、政策は「必要性」と「許容性」との両面から検討することが重要だと思っています。ニーズだけではなく、それを進めることで副作用がどの程度生じるのか、冷静に判断し、バランスの良い制度を検討しないといけません。部分最適だけではなく、全体最適の観点に立つとどうなのか、時代の変化や世界の潮流を踏まえるとどうなのか——。あらゆる角度から検討し、熟考するよう心掛けています。

 また、人には「こだわりの落とし穴」があります。得意分野であるほど、過去の経験や見識にとらわれてパラダイムシフトに気づかず、失敗してしまいます。だからこそ自分の考えに固執せず、多様な意見を聞くことが重要です。

——情報の受け手として、また発信者としての大切な視点を得られた気がします!

 ありがとうございます。総務省の特設サイト「#No Heart No SNS」には、情報モラルや誹謗中傷から身を守る方法についてまとめられています。この機会にぜひ見てみてください。

【略歴】1974年生まれ。衆院当選4回。公明党中央幹事、同青年委員長、同広報局長。弁護士、税理士、防災士。創価大学卒。

総務省特設サイト「#No Heart No SNS」

ネット上で誹謗中傷を受けた際の相談窓口

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