日常を「見える化」するタイムマネジメント

仕事にプライベートと、とにかくやることが多い現代。日常を「見える化」することで、「やるべきこと」「やらなくていいこと」が見えてきます。ポジティブに「やらない」を増やしていけば、心にゆとりが生まれるだけではなく、本当にやるべきことが明確になります。「見える化」による生活リズム調整術を中野洋昌衆院議員に聞きました。
「好き」と「必要」を使って時間を「見える化」
――やることが多くて、趣味などに時間を費やすことができません。気持ちもめいってばかりです。
そうですよね。仕事も大変だけどプライベートも充実させたい。しかし、1日は24時間しかありません。少しでも時間を有効活用しようと、録画した映画やドラマ、オンデマンド放送を倍速で見ようとしたり、時間が無限にあればいいのに……と思った時もありました。でも、いっそ必要でないことは「やらない」と決めて行動してみたら、自由な時間を作り出せるようになりますよ。
――そんな簡単にできるんですか!? 今までいろんな方法を調べてやっていたのに……
実は、私の考えにもぴったりな本「『やらないこと』を決めよう。(アスコム編集部)」にも参考になることが書いてあるので、その方法を紹介します。
準備するものは、メモ帳と筆記用具です。最初に、十字を書いてください。そして、縦軸の上に「好き」、下に「嫌い」、そして横軸の右に「必要」、左には「不要」と記しましょう。
仕事や日常生活の行動を4分割して、優先順位が最も高い右上の「好きで必要なもの」をTo Doリストに書き込むと良いでしょう。反対に、左下の「嫌いで不要なもの」は、「やらない」と決めます。こうすれば優先順位を「見える化」できますよね。
――なるほど! シンプルで、これならできそうです。せっかくなので、ここでやってみてもいいですか?
ぜひ! やってみましょう。
「無駄」が分かれば行動が変わる! ケース①「運動する時間を作りたい」
――最近、健康に気を使う年頃になりました。ジムに通えばいいと思っていましたが、そんなお金もなく……。なので、仕事が終わってから、家の周りを走るなど簡単な運動をしようと思うのですが、家に帰れば家事や育児もあります。どうしたらいいですか?
では、一度、4分割にしてみましょう。
――子どもとのお風呂や寝かしつけの時間は、日中仕事でいない分、自分にとってかけがえのない時間であり、好きな時間だから……最優先! そして、食器洗いや洗濯物をたたんだりという家事は、やらないと妻のカミナリが落ちるし……好きではないけど必要だから2番目。寝る前の読書やユーチューブは、自分にとっての大事な時間だけど、必要じゃないか……ということは3番目ですね。それから、家に帰ってまで仕事のことは考えたくないから、会社の携帯は見たくない……家で仕事をするのは嫌だ!これが4番目!
そうすると、例えば、育児の時間の後、家のことをやりつつ、隙間時間でユーチューブを見ながら運動するとか、サブスクで音楽を聴きながら走りに行ったりできるかもしれません。疲れたらそのまま眠れるので、就寝前にスマホでユーチューブを見るなど、携帯を触る必要もなくなります。これは例えばの話ですので、皆さんも工夫してみてください。
〝スマホ脳〟から抜けだそう! ケース②「スマホを触る時間を減らしたい」
あと意外と忘れられがちなのが、生活リズムを調整するのに弊害となるスマホの存在です。スマホは便利なツールではありますが、手放せなくなってしまうという側面もあります。
――確かにそうですね。私も必要以上に触ってしまい、寝る時間や読書の時間も削られています。
スマホがあれば、パソコンもいらないくらいですね。もちろん、連絡や調べ物など、スマホを触る必要な時間があると思います。一方で、寝室にスマホを持ち込んで、ついつい動画を見たりしてしまいますよね。そうすると、スマホが放つブルーライトで体が覚醒状態になり、寝付きが悪くなり、翌日に影響が出てしまいます。
そこで、「タイムログ」(自分の行動などの時間記録)をつけてみてはどうでしょうか? 一日、どれくらいスマホを触るのか、時間を「見える化」させるのです。スマホにはタイムログのアプリがあるので、それを使ってみると良いのではないでしょうか。私もスマホを利用していますが、寝る前は極力触らないようにするため、寝室に持ち込まず、リビングなどで充電させています。
――自分の行動を振り返ることなんてあんまりやってこなかったので面白いですね。なんだかとっても心が軽くなりました。私もこの本を読んでみます。
日常を「見える化」することで、意外な気付きがあり、自分の行動を変えることができます。最近はスマホのアプリでも、さまざまなログを取ることができますよ。お一人お一人に合う方法がありますので、オーダーメイドのやり方をぜひ探してみてください。