もし違う自分が別の世界にいたら…?

マルチバースって何?
『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(以下、略して『エブエブ』)。
一度聞いたら忘れないほどインパクトのあるタイトルだけれど、そもそも覚えられない!この長くて奇妙な題名の映画は、名は体を表すとでも言うべきか、密度の濃い映画です。
『エブエブ』は近年の映画界では当たり前になってきている「マルチバース」を題材とした作品です。
全世界歴代興行収入第2位の『アベンジャーズ エンドゲーム』を代表とするマーベル社が制作しているスーパーヒーロー映画のシリーズにも「マルチバース」の概念は登場します。
平たく言えば、「別の自分」が別の宇宙世界に存在するということです。
なぜ今、あなたはこの記事を読んでいるのでしょう? 理由を考えてみてください。家族や友人に勧められた人、見る映画を選ぶときに参考にしてる人、トイレでスマホを開いたらたまたま、おすすめに表示された人、それぞれの理由でこの記事を読んでいるはずです。(できればムビ太のファンで毎月、愛読してくれているとうれしいですね!これからもよろしくお願いします!)
しかし……もし、友人が別の記事をおすすめしてきたら? すでに見る映画が決まっていたら? トイレでスマホを開いたらムビ太の記事ではなく、アプリゲームをタップしていたら?
このようなほんのささいな選択が人生には無数にあって、別の選択をしたあなたは全く別の人間になっているのではないでしょうか。
その「別の自分」が存在しているのがマルチバースなのです。
現実世界には「転職」がある!

映画の中でハリウッドスターになったり、カンフーの達人になったり、ただの石になったりする色んなエブリンを見ながら、ふと考えてしまいます。
自分にも色んな人生があったんだろうか。もし自分が別の人生を歩んでいたらどうなっていただろうと、少しワクワクしますよね。
「タイムトラベル」が題材の映画でもこのように自分の他の可能性について考えることができます。過去に戻って、自分を変えることができたら今の人生が変わる。しかし、マルチバースは何通りもの自分が存在しているので、自分には無限大の可能性があることを示唆してくれます。
マルチバースは絵空事ではなく、1人の人間が持っている無限大の可能性を表していると言えると思います。
僕たちは、映画のようにマルチバースにいる別の自分になったり、見ることはできません。しかし、「転職活動」という行為はマルチバースのそれに近いのかもしれないと思いました。
今の仕事ではなく、別の業種に就き今までと違った人生を送る未来を想像することはマルチバース的行為と言えるのではないでしょうか。
僕自身『エブエブ』を見ながら、未来を決める選択肢は自分が思ってる以上に多いのかもしれない、と感じることができました。
「転職活動」は単に仕事を変えるだけでなく、別の自分の可能性を探る行為と言えるかもしれませんね。
何歳になってもブレていい!?
「2022年の正社員の転職率は7.6%で、2016年以降最も高い水準に。転職で年収が上がった人は39.5%。2019年以降増加傾向。」
これはマイナビの調査で分かったことです。
僕の周りにも転職で悩む友人がいます。彼は3度目の転職で、転職活動をしながらも「親から1つの仕事が続かない」と叱られたそうで、少しへこんでました。
僕は大学を卒業し就職するものの、すぐ仕事を辞めてしまい一時期フラフラしてました。これから何の仕事をすべきか腹が決まってなかったのです。
そんなある日、尊敬する先輩から「30歳まではブレていいんだよ!」と言われ、悩みがパッと軽くなった事がありました。難しく考えずに、今やりたいと思えることに挑戦してみようと思えたのです。それから9年が経ち、先日、その先輩に再会した時「40歳まではブレていいんだよ!」と言われ、おいおい!と。言ってること違うじゃないか!って気持ちになりました。
でも、先輩の言ってることも分かる気がしました。とりあえず、今やりたいと思えることに挑戦し続けてきた結果、本来めざしていたやりたかった仕事に、少しずつですが、近づけている気がしています。9年かかりましたが……!
自分にとってどんな仕事が合っているのか、ハッキリと自覚できる時は人それぞれのタイミングがあるのかもしれませんね。
一度、自分のマルチバースを想像してみて、今どの仕事を選んだらどのような未来が開けていくのかを心に描いていくと、自分自身にワクワクできるかもしれません。