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“いまさら聞けない”ニュースワード

ハンセン病

"いまさら聞けない"ニュースワード

 「らい菌」と呼ばれる細菌に感染することで引き起こされる感染症の一種。治療法が確立された現代では完治する病気です。かつては「らい病」とも呼ばれていましたが、偏見や差別を助長するとして、「ハンセン病」に変更。1873年に菌を発見した医師アルマウェル・ハンセンにちなんだものです。

 発病すると、皮膚の病変や痛みなどの感覚が失われる知覚麻痺になります。治療薬がなかった時代は、手足や顔面など体の一部が変形するといった後遺症が残ることもあったため、患者は差別や偏見の目にさらされてきました。さらに、1931年に成立した患者を療養所に隔離させる「癩(らい)予防法」が約90年間続いたことで、「恐ろしい病気」という誤ったイメージが社会に定着し、一層深刻な差別を生みました。

 こうした国の隔離政策に対して療養所入所者らが賠償を求めて国を提訴した結果、2001年5月に熊本地裁が違憲と判断して国に賠償を命じる判決を下し、国も控訴を断念しました。

 ハンセン病訴訟の解決には、坂口力厚生労働相(当時、公明党)が首相に直談判して控訴断念に導いたほか、元患者の福祉の増進や名誉回復を進める基本法の制定をリードするなど、党を挙げて問題解決に取り組んでいました。

 今年4月には、厚生労働省がハンセン病に関する初の意識調査を公表。偏見や差別が依然として深刻な現状が明らかになりました。一人一人の正しい理解が求められています。

© 2022 公明新聞