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野党の「消費税減税」いい加減!

 野党が物価高対策として声高に叫ぶ消費税減税。あまりにもいい加減な主張に、マスコミや識者から異論・批判の声が相次いでいる。

社会保障の財源はどうする

 野党は、消費税減税と引き換えに社会保障財源を削るのか。少子高齢化という日本の最重要課題をどうするのか――。

 消費税率を5%から10%に引き上げた増収分は約14兆円。その使い道は、基礎年金の国庫負担(約3・5兆円)のほか、▽幼児教育・保育の無償化▽高等教育の無償化▽低年金者のために月最大約5000円を上乗せする年金生活者支援給付金制度――といった「社会保障の充実」(約4兆円)などに充てられている。

 識者からは「もし財源が手当てできなければ、社会保障給付をカットせざるを得ないのは明らか」(島澤諭・関東学院大学教授、27日投稿のヤフーニュース個人記事)、「野党は減税を言うなら、何の支出を削るのかも考えるべきだ」(都築勉・信州大学名誉教授、28日付「東京」)などと鋭く指摘されている。

国債発行では将来にツケ回す

 そもそも、消費税率10%への引き上げは、2012年、民主党政権が「社会保障の充実、強化のための財源は、もはや将来世代にツケ回しできない」と自民、公明両党に呼び掛け、社会保障と税の一体改革を決めた。公明党は軽減税率を提案、実現させた。

 しかし、その民主党政権を担った議員らが中心の立憲民主党が、今は消費税減税を叫び、その代替財源として、将来世代にツケ回しする「国債の発行」を明言しているのである。

 自己矛盾であり、無責任極まりない。これは、明らかな選挙目当てのパフォーマンスだ。

当面の物価高対応に役立たず

 野党が用意した消費税減税のための法案は、消費税率を時限的に来年4月から引き下げるという代物。

 しかし、法改正には一定の時間がかかる。政治アナリストの伊藤惇夫氏は、21日放送のBSフジ番組で「(法改正は)国会が開いていないとできない。極めて時間がかかる」と述べ、さらに「(物価高に対して)当面、何かするかというと全然効果がない」と、今の物価高対策に役立たないとの見解を示している。

 しかも、近く税率が引き下げられるとなれば、買い控えが始まり、消費が冷え込むことは明らかだ。

補正予算に反対しながら  

 政府が実施している物価高対策を盛り込んだ今年度補正予算に、立憲や共産、維新など野党は反対した。

 補正予算によって、ガソリンなど燃油価格の上昇を抑えるための補助金を9月まで継続する財源を確保し、価格抑制効果を発揮している。ガソリン全国平均価格(1リットル当たり)を、対策がなければ210円を超えるところを170円程度に抑えている。

 野党は喫緊の物価高対策が含まれた補正予算に賛成せず、非現実的な消費税減税を叫んでいる。これは「有権者受けを狙ったポピュリズム(大衆迎合主義)であり、形を変えたバラマキにすぎない」(川上和久・麗澤大学教授、28日付公明新聞)。

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