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【KomeSTA!RADIO】読むラジオ「認知症との共生社会へ」後編

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KomeSTA!RADIO(コメスタラジオ)の収録内容をインタビューの形式に再編集し、お届けする後編。第10回「認知症との共生社会」をテーマに、公明党の古屋範子副代表に話を聞きました。(聞き手:にっしー、はるみん)

これまでの認知症への公明党の取り組み

『でいさぁびすはっぴぃ』の利用者が洗車する様子を視察する公明党議員ら
『でいさぁびすはっぴぃ』の利用者が洗車する様子を視察する公明党議員ら

ーー公明党は認知症基本法の成立に向け、時間をかけて議論をしてきました。この間に、認知症に関して、色々な方へのヒアリングをされてきたと思います。 党は認知症に対して、これまでどのような対応をしてきたのでしょうか。

古屋副代表:認知症基本法をつくるため、これまで、たくさんの方々からお声を聞いてまいりました。常に大事にしていたのは、「当事者の声を聞いていく」ということでした。「認知症本人ワーキンググループ」の代表理事である藤田和子さんを始め、「家族の会」の方や医療、介護に携わっている方々など、さまざまな方々からの声を聞きながら、法律をつくってきました 。

まず公明党案を取りまとめ、そこから、与党案をつくるため自民党へ呼びかけました。与党案として国会に提出できたのが 2019年。そこからも苦難の道がありました。

ーー法案を成立させるために、たくさん、話し合いをされてきたんですよね。

古屋:野党の理解も得るため、厚生労働の分野に関わっている野党の議員さん一人一人に法案の説明をして、認知症基本法の必要性を訴えてきました。

 

そのうち、衆議院が解散となり、ようやく提出できた与党案が廃案となってしまいました。

今度は、野党の方々にも最初から議員連盟の役員に全部ついていただき、議員連盟で法律をつくるということをイチから始めました。もちろん、当事者の声を聞くということが一番大事です。

ーー議員連盟というのは国会で議論されて、実際に当事者の方も国会に来てお話しを政治家の皆さんの前でされるんですよね。

古屋:(認知症本人)ワーキンググループの藤田代表理事は、鳥取にお住まいなんですが、わざわざ国会に来てくださり、自分たちの法案に対する意見をしっかり述べてくださいました。私たちもできる限り、そのご意見・ご提案というものを法律の中に盛り込んで、今回つくり上げることができたんですね。

実は、議員連盟の中で、予防という点でずっと意見の食い違いがあったんですね。予防も最初の「発見」とか「治療」とか、それから「リハビリ」とかいろんなものの中に予防というものも位置づけられるんですけれども、あまりに予防というものを強調しすぎると「じゃあ 600万人の認知症の人は予防を怠っていたのか」と思われかねないので、予防の観点はあまり強調しないでほしいという、そういう強いご意見をいただいていました。

発見とか治療とかリハビリとか、 あるいは共生社会をつくっていくそういう調査研究の一つとして、予防を位置づけるということで皆さんが了解してくださいました。

最後、議員連盟で法案を了承するときに藤田さんから「共に認知症基本法をつくることができた。本当に良かった」という声をいただいきました。

認知症の方を支えるオレンジサポーター

読むラジオ「認知症との共生社会へ」後編
読むラジオ「認知症との共生社会へ」後編

ーー認知症の方を支えるオレンジサポーター制度(認知症サポーター)というものもあります。 サムネイルでも、古屋さんが「オレンジバンド」を着けてアピールされていますね。古屋さんも、オレンジサポーターの一員なんですか。

古屋:もう7、8年前になりますけれども、厚生労働副大臣在任中に講習を受けて、認知症サポーターになりました。今年の6月30日時点で認知症サポーターは1400万人以上いらっしゃいます。本当に普及しているので認知症に対する理解というのは、だんだん深まっているんじゃないかなと思いますね。認知症サポーターの方々が地域の中で活躍していけるような環境づくりも重要だと思っています。

ーーたしかにそうですね。私も「この人は、オレンジサポーターなんだ」と日常生活で意識したことがなく、「あなたも、私もオレンジサポーターなんですね」と、ちょっとした共通意識を持てるような場があると、より認知症に対する考え方もブラッシュアップされそうだと思いました。オレンジサポーターの方のような、認知症理解者が少しでも増えて、助け合える世の中になっていってほしいなと思います。私たちも受けてみたいなと思います。

古屋:そうですね。若い方々にも認知症に対する理解を深めていただくために、ぜひトライしていただけるといいなと思います。

さいごに

ーー最後に共生社会の実現に向けて、古屋さんの思いをお聞かせください!

古屋:本年、認知症基本法が成立しました。認知症基本法のタイトルというのは「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」となっています。「どこであっても認知症の方々が尊厳を保ち、また希望を持って暮らすことができる社会をつくっていく」。これは私をはじめ、公明党の議員、また国民全体に課せられた使命ではないかなと思っております。これからも全力で取り組んでいきたいと決意をしております。

ーーこれからも期待しています!ぜひよろしくお願いいたします。

【略歴】1956年生まれ。公明党副代表。党認知症施策推進本部長。元厚生労働副大臣。早稲田大学卒。

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