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公明的ライフハック

自分を〝深化〟させる「リスキリング」

高橋光男参院議員

 仕事や役割に備えて、新しい知識やスキルを学ぶ「リスキリング(学び直し)」。スキルアップや自己成長につながると、若手のビジネスパーソンからも注目を集めています。外交官時代に一念発起して大学の通信教育過程に入学し、ブラジルでの勤務時や、議員になる前も後も、学び続けた努力人・高橋光男参院議員に、リスキリングの工夫術を聞きました。

リスキリングはあくまでも目的達成の〝手段〟

高橋光男参院議員
高橋光男参院議員

――若い世代はリスキリングへの意識が高いと感じる一方で、どんなスキルを学べばいいのか、学習時間を確保できないといった悩みの声は絶えません。

 若い頃から学び始めることで、新しい知識や技術を吸収しやすいというメリットがあります。一方、20〜30代はキャリアの選択肢が多く、何を学ぶべきか見極めが難しいともいえます。迷いや焦り、不安が生じるのも当然です。

円グラフ「リスキリングへの意識」
円グラフ「リスキリングへの意識」
グラフ「学びを実践できていない理由」
グラフ「学びを実践できていない理由」

 資格や技術の習得がリスキリングの目的ではありません。キャリアの土台となるビジネススキルを身に付け、自己実現をすることが大切です。つまり、リスキリングはあくまでも手段であり、キャリア形成や人生のプラン実現に役立てるためということを忘れないように。そのためにも、長いキャリアプランから考えて、自分を〝深化〟させるために、今どんなリスキリングがふさわしいか導き出してみましょう。

――漠然と何かを学ぶよりも、目的のために何を学ぶかを、自分の中で整理するとリスキリングの方向性が出てきそうです。高橋議員は、外交官として働きながら中央大学法学部の通信教育課程に入学したと聞きましたが、勇気のいる選択だったのではないですか。

 はじめは、電車内で「人生を変える8万円」という中刷り広告を見て始めましたが、正直続けられるか確信はありませんでした。霞が関での仕事も半端なく忙しかったですからね(笑い)。ただ、外交官試験で憲法と国際法を履修していましたし、法律の知識は行政の業務において求められる知識です。純粋に学びたいという知的好奇心もあったので、大学の門をたたきました。

集中できる場所と時間を確保し着実に前へ

高橋光男参院議員
高橋光男参院議員

――よく続けられましたね。時間に余裕がない人もいます。いい方法はありますか?

 確かに簡単ではありませんでした。忙しい中でも、一人で勉強する時間をいかに確保するかが肝になります。漫然とやってしまっては、時間を無駄にしかねません。

 まずは、集中できる場所と時間帯を決めましょう。私は始業前、朝の1時間をカフェや職場で勉強する時間に充てました。「朝活」という言葉がある通り、脳科学の観点からも、朝は脳が最も活発に働く時間帯です。このゴールデンタイムを活かさない手はありません。

 加えて、自分なりに短期、中期、長期の計画を立てましょう。少し細かすぎるかもしれませんが、参考にしてみてください。

高橋光男参院議員が通信教育で学んでいた頃のレポート
高橋光男参院議員が通信教育で学んでいた頃のレポート

 例えば、通信教育の場合、1年間で24単位取得することを長期の目標とします。1教科あたり4単位ですので、6科目をパスしなければなりません。1科目あたり、レポート(2つ)、スクーリング(オンデマンド、10コマ)、そして試験に合格する必要あります。そこで、半年で3科目をパスするためには、レポート6つ、スクーリング30コマを履修するのに加え、試験準備することになります。したがって、1カ月にレポート1つ、1~2カ月でスクーリングを終え、残りの1カ月は試験勉強に充てることを中期計画とする。すると、逆算して一日あたりやるべきことが見えてきます(短期計画)。参考書を読むにも、目次にこの章は何月何日に読むということを、あらかじめ書いて計画的に学習しました。

 1日でやるべきことを掘り下げていく。そして、一度決めたらやり通す。誰も見ていませんし、褒めてくれるわけでもありません。地道なことが多く慣れるまでは大変ですが、学びのリズムが構築できるまで粘り強く取り組みましょう。

何度でもリトライできる

高橋光男参院議員
高橋光男参院議員

――働きながら学ぶのって、モチベーションの維持が大変そう。続ける秘訣はありますか。

 仕事をしながら勉強をすること自体、大変な事ですし、できれば避けたいという気持ちになるのが当たり前かもしれません。また、家庭がある方は、ご家族の理解を得ることも大事ですね。転職や結婚、出産、子育て、いろいろなライフイベントがあって、現実的に続けることが難しい時だってあります。その時は無理せず、立ち止まることも大切です。

 一度立ち止まったとしても、断念して諦めるということを考えず、いつか始められる時に再開しようと考えれば、気が楽になりませんか? 一歩踏み出すこと自体、今回が最後、唯一の機会ではありません。人生は長い。リスキリングは、いつでもリトライできます。皆さんにもポジティブにチャレンジしていただきたいです。

築ける財産は知識やスキルだけじゃない

――リスキリングを通じて得られた経験は、今どんな風に役立っていますか。

 幸い国会議員としても、法学を学んだことが大いに生かされています。法律は立法府の仕事ですからね。また、中央大学との「出会い」は、私の人生に大きな変化をもたらしました。年に1度のキャンパスでのスクーリングでは、さまざまな年齢、職業の人と交流しました。さらに、卒業後は同窓会(白門会)の関係者ともつながることができ、人間関係の幅を広げるきっかけになりましたし、財産になっています。

中央大学卒業後も同窓会(白門会)のメンバーと交流を重ねる高橋光男参院議員
中央大学卒業後も同窓会(白門会)のメンバーと交流を重ねる高橋光男参院議員

 公明党青年委員会の「ユーストーク」でもリスキリングが話題に上がりますが、職場の理解や後押し、経済的な支援をさらに充実していく必要があります。希望される皆さんが前向きにリスキリングに挑戦していけるよう、これからも国に働き掛けていきます。

【略歴】1977年生まれ。参院議員1期。公明党国際局次長、同青年委員会副委員長、同学生局長代理。大阪外国語大学在学中に外務省試験に合格し中退。2021年3月中央大学法学部卒。
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