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今や国際貢献で不可欠に
参院は、平成最初の1989年参院選で自民党が過半数割れしてから大半の期間で、単独過半数を占める政党・会派が出ていない。そうした中、公明党は、国政の重要な局面で“日本のかじ取り役”を担ってきた。
象徴的な取り組みが、キャスチングボート(政策決定権)を担った90年代にある。日本の国際平和貢献に道を開いた「国連平和維持活動(PKO)協力法=現・国際平和協力法」、“日本発の世界恐慌”を回避した「金融早期健全化法」の実現だ。
これらの過程などを通じ、野党でありながら国の針路に深く関与した経験が、結果として、現在に至る連立政権参画につながった。
日本政府は2022年4月、ロシアの侵略が続くウクライナの避難民を支援するため、自衛隊機で周辺国に救援物資を輸送する計画を示した。国際平和協力法に基づく「人道的な国際救援活動」として実施される。こうした国際平和貢献が円滑に実施できるようになったのも、30年前に公明党が同法の前身であるPKO協力法の成立を主導したからである。
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PKOは、武力紛争の再発防止に取り組む国連の活動で、そこへの日本の参加は国内外から高い評価を受けている。「平成の30年」の検証として読売新聞が2018年に行った世論調査では、日本の社会に最も良い影響を与えた政治的出来事のトップに、PKO協力法の成立が挙げられた。
PKO協力法案は1991年9月に国会提出されたが、成立は困難を極めていた。武力の不行使が前提の活動であるものの、戦後初めての自衛隊の海外派遣となることに反発する世論は強く、「反対のための反対」に終始する最大野党の社会党などが、それをあおった。そうした中で注目されたのが、参院でキャスチングボートを握る公明党の判断だった。
公明党は「何が国民のためになるのか」との観点から、党を挙げて議論を重ねた。「一国平和主義」を乗り越え、日本がさらに世界平和に貢献していくべきとの立場から、自衛隊が現地で紛争に巻き込まれないよう“歯止め”をかける「PKO参加5原則」を明記させた上で、法案への賛成を決めた。
その後、一時は「廃案濃厚」と各紙に報じられる状況となったが、参院審議の最終局面で、停戦・武装解除の監視などを行うPKF(国連平和維持隊)本体への参加を凍結する修正を行わせるなどして合意形成をリード。92年6月15日、PKO協力法が成立した。
国民の8割が支持
同法により日本はカンボジアなど世界各地でPKO参加の実績を積み、今やわが国の国際貢献に不可欠な活動として国民の理解も広がった。昨年度の内閣府世論調査では、PKOについて「これまで以上に積極的に参加すべきだ」または「これまで程度の参加を続けるべきだ」と答えた人は計84・2%に上った。